箱庭のおはなし

嘘みたいな本当の、僕たちの世界での生活
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待ちぼうけ

 となりあって座っていたけれど
君が待っているものと僕が待っているものは違った
それを僕は知っていたけれど
君は知らなかった

君が待っていたものが来たとき
君は立ち上がってそろっとそれに向かった
それから僕がついていかないことに気づいて振り返った
少し首をかしげて
僕を見たけれどすぐにはっとしてうつむいた
僕もうつむいた
ここで何か言わなくちゃいけない
でもどんな言葉も浮かばない
君も同じように黙ったままだった


君が去ってからずいぶんたったように思うけれど
僕の待っているものはまだ来ない
だからこうして君のことばかり考えている

: あり : 21:35 : comments(0) :
猛暑
 

彼女のひざは真夏でも冷たくて
わたしはそれがひどく恐ろしくて
何度か指摘してみたけれど、彼女はまったくそれを気にしていなかった

太陽は南中する
たとえわたしがここで息ができなくなって苦しくても、彼女はそれも気にしない
暗く蒸し暑いこの部屋から晴天をのぞく彼女の顔をわたしは見たかった
蝉の大声にかき消されて、呼びかけるわたしの声は彼女に届かなかったのかなと思った



: あり : 17:56 : comments(0) :
リカバリー
なにかを追う
それとも追われてる?

目的を、行き先を、保つのはとてもたいへん
みてるのはじぶんだけなのに
理由をつけて止まろうとする

どこにいくにも僕の自由です
どうなろうとも、それは僕の意志です
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: もふ : 08:54 : comments(0) :
西日
 
会いたい?

彼女に訊かれてわたしは瞠目した
短く吸った息はわたしの体の中を一周して、再び口からこぼれ落ちた

あいたい

言ってしまった
言ったら途端に鼻がつんとしだした
言ったら途端に目の前がにじみだした

あいたいの
あいたい

ああ、泣きたくないのに
口にするたび心臓が絞られるように痛む
痛む
でも

あいたい
あいたいの

何が叶わなくてもいいの

顔が見たくて
声が聞きたくて
笑ってほしくて

あいたいの、叫びたいくらい
すきなの、頭が痛くなるくらい



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: あり : 21:56 : comments(0) :
遠近法


海すら隔てない
その距離
ピンクと黒が交錯する日はくるのか
じぶんとしっぽを追いかける犬との違いを
何度も、問いかける

哀しいほどにそらはハレ
あすもあさっても
君がいなければおなじ

君がいてもおなじ

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: もふ : 23:52 : comments(0) :
しんしん

ずいぶん遠くまで来ちゃったね

  山の端が灰色にかすんでいる
  あたりはそろそろと暗くなっていく
  呼吸するたびに 
  内臓が凍りつきそうなほどの冷気の間を通って
  白い息はのぼっていく

あ、ほら



  君の赤い指先や耳をあたためたいけど
  この手のほうがよほど冷たいだろうと思う

行こう

  差し出された手をとらないでいても

まだ道はある
  
  君は誰が戸惑っていようと気にしないし

決めたでしょ

  立ち止まることを許さない

突き当たったら

そこで一緒に

  笑顔を絶やさない

  長い夢のようだ


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: あり : 21:43 : comments(0) :
プライオリティ


決壊寸前のダムのまえで
ぼくは立ちすくんでいる

ひびの入ったコンクリート
色の濃い水がちょろちょろと流れている

ああ、もう壊れるなあって思ったら
ぞわわって
恐怖がむねを突いた

でもね、なんだか笑いが止まらないんだ

なくなっちまえばいい
こんなもの
ぼくごとのみこんでしまえよ

はやく
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: もふ : 19:05 : comments(0) :
日の出
日の出

きみの声だけを聞いていたい
ぼくは
黙ってうなずいているからそばで

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: あり : 00:55 : comments(0) :
またたくま
元日

この流れだけは誰にも止めることができない
激流の中で
私は

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: あり : 23:58 : comments(0) :
余興


街がすっかり冬のくすんだ色に染まりつつある昨今、如何お過ごしでしょうか。
イルミネイションと晴れた午后のひかりが胸をこじあけてゆくようです。

ここでひとつ番外編として、わたくしの最近の脳内を支配している曲、「カプチーノ」をご紹介したいと思います。
ともさかりえさんが唄っておられますが、歌詞はシーナリンゴ女史が作詞されたものなのだそうです。

慕っている相手に焦がれるような苦い想いが、温かいミルクの白い泡と交わってなんとも言えない情感を生み出している秀作だと思います。
ちょうど今頃、師走も半ばの頃に聴くと、季節も合ってい(るように感じ)て響きます。
夜がしんしんと世界を包む時分なぞに、やはりカプチーノを飲みながら聴きたい曲です。

前置きが長くなりましたね。
ここを見るかたがどれだけいらっしゃるかよくわかりませんが、すこしでも気に留まったら是非聴いてみてください。

以上、自宅で自主軟禁している(?)もふでした。
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: もふ : 23:09 : - :